SRにおけるデジタル制御はPWM(Pulse Width Modulation)というもので、ONとOFFの矩形波(アナログ制御のインバーターは正弦波)をつくるのにパルスの幅をインバーター回路によって書き込み調整します。
アナログ制御のインバーターは駆動装置のことですので混乱しないように注意してください。
磁石有りのSRで「発電・回生」もできるものをHBSRMG(ハイブリッド・SR・モータ・ジェネレータ)と呼ぶことにしています。
HBSRMGに関する技術的な基礎知識を整理しておきます。
通常モータは、機械的部品としてのモータ(われわれ現場では「どんがら」と呼んでいます。)と駆動装置(ドライバー)そして駆動、制動を制御する制御部(ソフト)の三つから構成されます。
通常のモータ(IPMもIMも)は、駆動装置はインバーター(正弦波による駆動)を使います。
交流(AC)モータが広く普及しているのは、インバーターを使わず、単相であれば、家庭でも白物家電等コンセントに差し込むだけで回せますし、工場であればコンプレッサー等、三相電源につなげれば簡単に回すことができるからです。しかし、一定の回転数でしか回せませんので、多機能な用途には向きません。
電車は、パンタグラフで導きいれた三相交流をわざわざコンバーターをかませて直流に整流し、直流(DC)モータをインバーターで駆動するという遠回りな方式を採用しています。
通常のモータも同様です。
コンセントを挿して動作する電化製品は、AC(交流)100VをDC(直流)に変換する 『AC/DCコンバータ』 が必要です。 ... このため、必要な電圧に変換したり安定化するために 『DC/DCコンバータ』 が必要となります。 DC/DCコンバータで、電圧を安定にする装置のことを電圧レギュレータといいます。
いずれにしても直流による駆動となりますのでHBSRMGで対応可能となります
HBSRMGのドライバーはインバーターを使いません。ONとOFFのスイッチングによって駆動するためです。
この制御部において、パワー半導体が使われます。シリコン(Si)のMOSFETから、近年シリコンカーバイト(SiC,炭化ケイ素)によるパワー半導体の登場によって大きな進歩が始まっています。
SiCは、Siと比較してオン抵抗を極めて小さくできます。オン抵抗を小さくできるということは、高耐圧化が可能になるということで、電気自動車が大型化してゆくにあたっては、パワーデバイスの性能向上は、これほどありがたいことはないのです。
PWM制御にあたっても、SiCによって周波数の高速化か可能になります。今までのSiによるデバイスでは高周波駆動には限界がありました。
このSiCによるパワー半導体を先取りし、HBSRMGのみ可能な特性である、低速域から超高速域まで、トルク変動の幅が大きく、なおかつ急激なトルク変動(加速性能が優れていて、加速時の消費電力が少ない)に耐えうる制御システムによる、ブラックボックス化(暗号化)したチップとしての製品になれば、在庫管理も楽な高付加価値商品になると思います。
制御部は別として、機械的部品としてのモータ(どんがら)においては、永久磁石の占めるコストは半分近くかかりますので、もともとシンプルで堅牢な構造のSRモータ・ジェネレータは、通常のモータと比較してコスト面においては群を抜くものとなります。
したがって、一般の通常のモータには磁石無しのSRMGに、高性能モータの代表であるIPMモータ(Interior Permanent Magnet(磁石埋込式)の同期モータ)IM(インダクション・モータ)には磁石有りのHBSRMGに置き換えることによって、すべてPWMによるデジタル制御が可能となります。
つまり、世の中にあるすべてのモータが照明のLEDと同様、半導体によるデジタル制御化ができ、抜本的な電力消費量の削減に結びつきます。
軍事用の迎撃ミサイル、ドローン戦闘機はジェットエンジンによるものです。
姿勢制御は主翼、尾翼のフラップなどで舵を操作するのが主機能です。
近年シリコンカーバイトの採用により、パワー半導体の性能は飛躍的に向上しています。
現状カーボンは石油系のものですので、植物系のものにすれば幾何級数的に性能は向上しSR系モータも同様に性能アップしますので、ドローン戦闘機の性能も迎撃ミサイルの命中精度も幾何級数的に性能アップしていくと考えられます。
モータがすべてSR系になればデジタル制御ですので、暗号化によりブラックボックス化できますので、半導体の性能向上は喫緊の課題ですのでバイオマスカーボンにはたいへん期待しています。
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