2015年5月16日土曜日

サンマリノ共和国との友好親善について①

サンマリノ共和国において、日本の神社仏閣が建立される意義について

サンマリノ共和国は1700年以上の歴史において、チンギスハーン、ナポレオンの侵略にも耐え、専守防衛に徹し、平和を堅持してこられました。

日本は、戦後70年、平和憲法のもと平和を維持してきましたが、対米従属の改憲論者たちにより、戦争のできる国へと変貌しようとしています。

第一次大戦後、人工的にひかれた国境により、イスラム教のアラブ諸国と緊張関係にある英仏とは違い、イタリア半島の国々は、原発も武器も作らず、本当に正しく賢い選択をされてこられたと思います。

今、サンマリノ、日本両国が友好を深めることは、世界平和の大切さを訴えるうえで、たいへん意義深いことであると思います。

サンマリノ共和国は、昨年6月、神社を建立されました。
サンマリノ神社は、日本の神社本庁公認であり、日本との友好のシンボルとして、また東日本大震災の犠牲者の慰霊を目的とされています。

祭神は意外にも出羽三山です。
出羽三山とは、月山、羽黒山、湯殿山の三つの山の総称です。
月山神社の祭神は月読命(つくよみのみこと)、出羽神社の祭神は稲倉魂命(うかのみたまのみこと)、湯殿山神社の祭神は大山祇命(おおやまつみのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)がそれぞれ鎮座しています。

しかし、出羽三山は明治維新以降、明治政府の国家神道路線の廃仏毀釈により、なかば強引に神社として整備されました。
それまでは非常に仏教色の濃い神仏習合の聖地だったのです。

廃仏稀釈以前の本地仏はそれぞれ、月山が阿弥陀如来、羽黒山が観音菩薩、湯殿山が大日如来です。
これは曼荼羅の思想に相通ずるもので、日本古来の山岳信仰に密教や神仏習合が混淆して形成されたものです。

サンマリノ神社に宮司として奉仕されているのは、出羽三山で修行されたフランチェスコ・ブリガンデ氏とのことです。
日本の神社に対する海外の人々のイメージは、靖国神社を連想しがちな昨今となってしまいました。
靖国神社は明治維新以降創建され、祭神は日本の軍人、軍属等を祀っているのです。
創建当初から先の大戦の終戦までは、日本の軍部が祭事を統括していました。

いわゆる靖国問題は歴史修正主義との関連で、中国、韓国はもちろんのこと欧米諸国から非難の的となってしまっています。

本来の日本の神社は、伊勢神宮、出雲大社、宇佐神宮、諏訪大社等みな神仏習合の一大聖地だったのです。

サンマリノ神社は日本本来の宗教、伝統、文化を継承してくださっているのですから、戦争礼賛と受け取られかねない靖国のイメージを払拭しなくてはなりません。

日本では奈良時代以降、神仏関係が次第に緊密化し、神宮寺が広まりました。
奈良の大仏で有名な東大寺をはじめとして、伊勢神宮、宇佐神宮等、神社の傍らに寺が建てられ神宮寺となり、神前で読経がなされるようになったのです。

サンマリノ共和国はカトリックの人々が多いとのことですが、古代ギリシャ、ローマの神話時代の面影も残されています。

古代ギリシャ、ローマの神々は日本の八百万の神と相通ずるところが多分にあります。

サンマリノ神社も傍らにお寺を建立し、神仏ワンセットで日本本来の姿を踏襲していただければ、宗教、民族の違いや国境を超え、真の世界平和の象徴となり、世界中から畏敬の念で迎えられることと思います。

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